俺は一度、音楽を捨てた。
前回の記事で書いたことだけど、音楽は一度捨てた。
もちろんそれも前回で書いたけど、もともとは取り戻すつもりだったわけで。
理由はその時に、書く歌詞すべてに限界を感じたというもの。
中学生の時からギターで曲を作ってて、自分の頭の限界を超えれなくなった。
つまり、脳みそという空間に「言葉」が支配されてた。
実際に歌詞を書く上で、制限をつけて書くと、歌詞は死ぬ。
自由さも失われるし、そこに彩も感情もない。
書く歌詞、書く歌詞、全部がそんなふうに感じてしまって、この限界を超えるためには一度捨てるしかないと思った。
捨てたあとにたくさんの本を読んだ。
自分の捨てて空いた部分の脳内に、たくさんの文字を入れたかった。
読書にのめり込むようになるうちに、いつの間にか、夢である”音楽”のことを忘れてしまっていた。
これがいつになっても尾を引いていて、路上ライブだとか、テレビで有名になる歌手やミュージシャンには、嫉妬のような感情を常に浮かべていた。
そしてそれを見ないふりしていたのだから、人間の脳の「忘れっぽさ」は本当にえげつないものだと感じてしまった。
自分はその場所に立てない。
その場所に立つには、俺には別のものがある。
そうやって、蓋をして見ないようにしていた。
「俺は本気を出したらすごい」
そんな半端な言い訳で夢を語った。
でも14歳の頃から、ずっとギターやってたじゃんか、って。
バンド組むのも、複数でライブするのも苦手だけど、
音楽はすごく好きじゃんって。
俺、もっかい音楽のこと好きになっていいって気づいちゃったから。
だから、俺はまだまだ戦えるはずなんだ。
捨ててた分、ブランクでグダグダになってると思う。
それでもいい。
今は一歩ずつ前に行く。
ただただ進んでいくだけだ。