カップ麺に菓子パンをひたして食べる男の話
今まで生きてきて33年。
菓子パンをカップ麺のスープにひたして食べる人間を2人だけ見たことがある。
俺を入れると3人。
まさに俺の人生では、11年に1人の逸材というわけだ。
違和感を感じたのは19歳の頃。
その当時の職場の休憩中に「みそコーンバターラーメン」に「ふんわりたまごパン」をひたして食べた時だ。
その職場の社員さんが、俺がやった行動に怪訝な表情をしていた。
最初はどうしたんだろう?と思っていたが、気にせず俺がもう一度パンをスープにひたすと
「ちょっと待て。何してるんだ?」
そう言われた。
子供の頃からずっとやり続けてきてたけど、昔からの友人や家族にも何も言われたことがなかった。
だから、この社員さんの価値観が違うか、狭いかのどちらかと思っていたが、生きてくる過程でいろんな人にこの食べ方の話をしても
「え?絶対無理w」
「マズイに決まってるじゃん」
なんて言い返されてきた。
間違っていたのは俺の方だったようだ。
ちなみにカップ麺自体はあまり好きではなく、菓子パンとセットじゃなきゃあまり食べない。
今更だが、ここでいう菓子パンとは、コンビニやスーパーなんかに売られているジャムパンとかカステラとか、あんこが入ったやつとか。
そういった「甘い加工が施されてるパン」のことだ。
初心者にはランチパックがオススメ。
中級者には外側がパンで包まれている菓子パン。
上級者はそのまま、ジャムやあんこ、ようかんをひたして食べる。
余談だが俺はこの上級者まで昇華している。
今回、個人的にプロジェクトを立ち上げる。
そう。
真に美味い組み合わせはどのカップ麺と、どの菓子パンなのか。
自分の舌で、改めて確かめようと思ったわけだ。
そして全てのカップ麺に公平性を与えるために、いくつかルールを設定する。
〈ルール〉
①カップ麺は側面やフタに記載してある作り方の手順と待ち時間を守る。
└メーカーさん側の考えた、一番美味しい食べ方だろうから。
②麺を食べ終わって、スープのみにしてから菓子パンをひたす
└もともとは途中でもひたしてたけど、それだと麺も巻き込む形になるため。
③美味しくなくても最後まで食べる
└もしかしたら何かがおこるかもしれない。勝負は最後まで諦めない。
④基本的にとんこつベースのカップ麺は選ばない
└とんこつのカップ麺は、大多数が菓子パンと相性が悪すぎるため。
このルール設定で、この世に在るカップ麺×菓子パンを極めていきたいと思う。
ちなみに現時点、暫定一位は決まっている。
蒙古タンメン中本×ちぎりパン(バニラチョコ)である。
どちらもセブンイレブン。
今も定期的に食べてしまうくらいクセになってる。
蒙古タンメン中本がただでさえ美味いのに、それにふんわり香ってくるチョコの甘みがたまらない。
コツは長時間ひたしすぎないこと。
パンの繊維が柔らかいので、溶けてスープに落ちると、チョコの甘味でスープが一気に不味くなる。
今回からこれを超えるものを探していく。
そんな決意のもと、走り続ける。