人生を変えた本

去年の今頃はまだ完全なる社畜という生き方をしていた。

 

というのも、お金を稼ぐ手段なんて企業に属するしか知らなかったからだ。

 

その時の働き先で、仕事場の先輩に「起業をしないか?」と誘われたことが発端。

 

その言葉で今まで考えていた生き方に少しの亀裂が入った。

 

「え?そういうのって、才能とかコネとかお金とかないといけないんじゃないの?」

 

という不安と、

 

「もしかしたらそんなのがなくてもできるのかな?」

 

という期待が完全に混合していた。

 

 

田舎で生活をしていると、どうしても「常識」みたいなものを尊重する生き方を選択せざるを得ない。

 

周りがそれで生活をしていて、生きていくのを強制的に見せられてしまうから、そういう生き方しかできないんだと、小さい頃から思わされる。

 

家族にもそういう生き方を強いられる。

 

そしたら「いい学校に入って、いい会社に入って、平日は働いて、休日に好きなことをする」という…まさに敷かれたレールの上を歩くだけの生き方になる。

 

その生き方が楽しくて、安定していて、不安に怯えたくないというのなら、その生き方に何も異論はない。

 

だけど、この世の中にはそれが嫌だったり、そういう常識の範疇の人と共存できない人がいる。

 

俺なんてまさにその典型的な例の人間。

 

常識的な生き方を親にずっと言われてきたが、今の時代にその常識はどこまでが正しいのかなんて疑いもしないのは、ただの思考停止だ。

 

 

タイトルの話に戻すと、何か頭の中で「起業と言えば堀江貴文みたいなところがあった。

 

理由はわからないが、何となくライブドアだって大きな会社だったし、あんな金持ちになりたい、みたいなそんな単純な思考だった。

 

捕まってからはよく何をしてるのか分からないな、と思っていたくらい彼に関しては知らなかった。

 

とは言え、ビジネス本なんて読んでもわからないから、とりあえず彼の生き方を最初に読んでみようと思った。

 

それが堀江貴文の「本音で生きる」という本。

 

ビジネスとかはほとんど関係なく、メンタルを作るためのものだが、たまたま手にとったこの本が自分の人生を大きく変えることなった。

 

これからの時代に、というか、今までの自分にとって新しいことだらけだった。

 

俺は自分の時間を生きていなかった。

 

人の顔色を伺っていただけ。

 

それで、誰にも嫌われないように無難な生き方を選択してきただけだった。

 

なんて、つまらない生き方をしてきたんだろうと思った。

 

誰にも嫌われないやつが、誰かに好かれることがないと実感した瞬間だった。

 

どちらかと言うと、堀江貴文の書く本はビジネスというよりマインドのほうが多いように思う。

 

そして逆に大事なのは、そういうところ。

 

彼の言ってることは、これから先を生き抜いていくためのシンプルな術だ。

 

俺は生き方が自由になることを、そして、これからの時代が今までのように進んでいくわけではないことを何となく頭の中で描いていた。

 

もっと自由に生きる、それを願い、そのために強く生きようという覚悟ができたのは、この本に出会えてからだと思う。

 

堀江貴文はこの本のことを「自分にとっては当たり前のことすぎて退屈だった」と語っている。

 

しかし受け取り手によって、その世界は見え方を変える。

 

俺には、彼にとって退屈なその本が、何よりも光り輝いて見えた。

 

俺ももっともっと未来を見ていきたい。

 

 

 

結局、先輩に誘われた起業計画は、停滞した。

 

自分の中でやりたいことが変わったからだ。

 

起業とは、起業とは結局どこかで何かに縛られる。

 

その生き方は大きい視野で見ると、自分が自由に生きることとはかけ離れている。

 

少なくとも今はそうだ。

 

もっともっとすごいやつになりたい。

 

夢は漠然としているけど、もっと形にしていきたい。