はとこの酒屋巡りから学んだ”信用”のお話
先日、親戚の結婚式があった。
俺が生まれて4ヶ月後に生まれてるやつで、俺は早生まれだから同級生じゃないけど、人生で最も付き合いの長い人間だ。
お互い子供の頃は、こんな未来があるなんて思いもしなかったよな。
本当におめでとう。
っていうのは置いといて。
その結婚式では、俺は同級生じゃないから完全にアウェイだったんだけど、
たまたま今住んでるところの近くに住んでる、今回結婚した親戚と同級生のはとこも結婚式に車で来てたんだよね。(分かりにくすぎ)
帰りの交通費(新幹線なら累計5500円くらい、高速バスなら3000円くらいかかる)浮かしたかったから、帰りの道中頼んだら快くOKくれた。
その帰りの道中の車の中で、はとこが語ってくれたのが今回のお話。
一緒にラーメン食いに行って、酒屋をはしごした。
俺はもともとお酒が好きって何回も言ってるし、それこそ盟友のとぅがーさんともたくさんのお酒を飲み交わすことが多い。(船長は少し控えめ)
だけど、酒屋ってそんなに行ったことなくて。
だって、お酒ってコンビニとかスーパーで買えるじゃん。
特に俺は家だと缶チューハイ多めだから、別に酒屋でお酒を買わなくていいわけね。
だから、そんなに楽しめてなかったんだけど。(実際に話してくれた信用の話以外の酒屋巡りは楽しくなかった)
今住んでるところの近くに来た時、はとこが言ったんだ。
は「ここの近くにも連れて行きたい酒屋があるんよ。」
俺は正直、意味がわからなかった。
そのはとこは、酒屋巡りで運命の出会いだと思える酒を買い集めるのが好きだ、と喜々として語ったからだ。
俺「どこでも買えるんじゃないの?」
という質問から、今回のタイトルの話に流れていった。
以下、はとこの語り。
↓
例えばさ、○○って酒、さっき買ったって言ったじゃん。
あれって予約して、それでも手に入らない人って多いんよね。
もちろん人気で売り切れってのもあるよ、順番とか抽選だったりするしね。
ただ、お店側が客を選ぶってこともあってな。
分かる?今の時代、買おうと思えば”オークション”だったり、”ネット”だったりで普通に買えるんよ。
ちょっと値は張るけどな。
でもそういう高い酒とか、限定の酒とかは酒屋はネットじゃ出さないから、個人同士の売買になるわな。
で、そこが問題なわけ。
その高い金払って買ったお酒が、不味かったとか、思ったような味じゃなかった場合ってどこにクレーム行くと思う?
蔵元に行くわけよね。
美味しくないとか、思ったような味じゃなかったって内容で。
だって考えてみ?
美味いわけないじゃん、酒屋みたいに”適温”に保ってもないし、専用のクーラーがあるわけでもない個人が保存してる酒が。
そんなん絶対に常温保存しとるやん。
でも、そういう希少種の酒を酒屋が誰かに売ってしまってるから、個人同士の売買でそういうことになるわけやんか?
そうなると、蔵元からしたら、酒屋に対して信用を失くしてしまうから、仕入れを断ったりして、どんどん普通に買えんくなってく。
結局のところ、”個人売買をして酒の評価を下げるような客”に売ってしまった店の責任になるわけよね。
そしたら、店からしても客は選ばんとあかんわけやん?
こいつだったら売らない、とか。
この人は売っても大丈夫、って。
その信用を勝ち取るためにも、知識をつける必要もあれば、通うこともしたりするわけよ。
さっき買ったって言った○○って酒な、あれ本当に普通は手に入らんのよ。
でも、それを店側が今回やっと俺に売ってくれた。
俺のこと信用してくれた、ってことやな。
もっとグレードの高いのもいくつもあるから、そういうのはまだ売ってくれんかもしれへんけど。
今回それが買えたってだけで俺は嬉しいし、それだけのためでも大金出した甲斐があるってもん。
こんな感じ。
生まれが関西のやつだから、こういう喋り方になるんだけど。
この話を聞いてて、感動というか、とんでもない衝撃だった。
何気なく、高い酒がどうとか言ってたことはあるけど、まさかお酒を買うためだけにこんな”信用”が必要だったなんて。
でも信用時代の今では必要な話だと思ったから、目から鱗というか。
いい時間を過ごせたと、心から思った。
このはとこに会ったのは、それこそ15年ぶりくらいなんだけど、やっぱり少し血が入ってるからか、同じくらい喋るやつだなーと思ってしまった。
あと、日本酒とか地酒に目覚めてみようかな、と少しだけ思ったこだまでした。