30歳を過ぎたおっさんがプリキュアの映画を見てきた話。(ネタバレ注意)

先日、とある友人に誘われてプリキュアの映画を観てきた。

 

そもそもなんでプリキュア?と思われそうだが、その友人がいい歳してプリキュアが好きというし、

 

友人はひとりで行くのはさすがに恥ずかしいということで、挑戦したことのないことに挑戦してみようと思ったわけだ。

 

ちなみに友人と書いたから同い年くらいと錯覚されそうだが、その友人は20代半ばか、前半くらいだ。

 

先輩後輩という間柄ではない。

 

男2人でとはいえ、片方が俺みたいなおっさんだと気は引けないだろうか。

 

そもそも他に誘うやつはいなかったのか。

 

でもどうしても行きたいらしく、チケット代は払うというのでついていってやった。

 

そのために彼は1800円を損失したのだが、本人はひとりではないという安心感からか、大喜びだった。

 

お金の価値は、感情やその状況で左右されるものだなあ、、なんて呑気に考えていた。

 

例えるなら、砂漠で一人ぼっち、周りには飲み物もない、そういう店もないという時にお金に価値は生まれない。

 

水を飲まないと死ぬ直前なら、500mlの水でさえ数万円の価値が付くだろう。

 

俺は、砂漠にいる友人の水になったということだ。

 

 

いざ、映画館の前までは「え?全然平気。俺そういうの何も気にしないでいれるよ。」と言った俺だったが、

 

そのシアタールームに入ってから、少し毛色が変わった。

 

子供と、家族しか来ない。

 

公開されてそんなに経ってなかったのもあるが、幼女や家族に囲まれる男ふたり。

 

少し安心できたのは、ひとりで来ている若い男性客も2人ほど見つけたからだ。

 

最後にプリキュアを見たのは、高校生くらいのとき。

 

初代だ。

 

マックスハートも一話だけしか観てない。

 

ひとつだけ言うのであれば、フレッシュプリキュア!の山吹 祈里というキャラに関しては、アニメ史上トップクラスに好みのキャラだ。

 

安かったとはいえ、今だにフィギュアも持っている。←

 

あれは普通に可愛い。

 

プリキュア恋愛シミュレーションゲームが出たら、真っ先に攻略したい。

 

スプラッシュスターの舞ちゃんも好きだし、プリキュア5のかれんちゃんと、こまちちゃんも好き。

 

最近ははぐっとプリキュアの、ほまれちゃんも好き。

 

とりあえずはこの5強。

 

てか、ほまれちゃんの声優、小倉唯やったんか…知らなかった。

 

 

話を戻すと、異色の客が混じり込む中、上映は始まった。

 

詳しく聞くと、夢のオールスター作品らしい。

 

俺は仮面ライダーも好きだから、「プリキュアってまさに女の子版の仮面ライダーだよね」と言った瞬間、CMが終わりシーンとなって恥ずかしかった。

 

普段は、ストーリーありきのアニメや、映画を観ているのもあって、ストーリーありきに慣れているけど、プリキュアの映画はさすがに初めてだ。

 

どんな感動が待ち構えているのだろう。

 

…と思った矢先、開始10分くらいで、戦闘に突入する。

 

確かに登場人物の数の都合で言えば、戦闘は早めに始めないと物語が追いつかないのは事実だろう。

 

しかし、俺はプリキュアを全く知らないのだ。

 

助け舟を出してほしくて、隣の知人を見た。

 

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友人はこんな顔をして画面に見入っていた。

 

さすがに邪魔するのは悪い。

 

どうにかして必死に思考を追いつかせる。

 

そうするのも束の間。

 

新たなキャラが2シリーズ分登場してきた。

 

もうさすがにパンク寸前である。

 

冒頭らへんで出てきた黒い鳥の奴の声優が梶くん(梶裕貴)だったことを考えながら、

 

「早く駆逐してくれねーかな」なんて思っていた。

 

正直な話、最後まで物語らしい物語はなかった。

 

いや、もちろん本筋みたいのはあったけども。

 

大人が観てもストーリー的には全然面白さは感じない。

 

あくまでこの映画を観て思ったのは、完全にエンターテインメントだということ。

 

まず、この映画がオールスターものということが一番にある。

 

おそらく声優さんのスケジュールの都合や、他にもギャラの問題とかもあるかもしれないが、初代から現在までのプリキュアは少しずつでも登場する。

 

しかも声を発するキャラもそれなりにいるわけだ。

 

全員分声優を出すのはさすがにしんどいはず。

 

でも正直な事を言うと、昔のプリキュアの声優さんなんて覚えてる人いないだろうし、覚えてても基本的に子供向けのものなのだから、子供が来ることが多いはずだ。

 

声優の卵みたいな人たちを集めればいくらでも機転は効かせられたんじゃないか、とも思う。

 

とはいえ、やはりキャラのボリュームは圧巻で、初代のプリキュアが喋ることに関してはそういう層も狙ったのかもしれない。

 

特に俺ら世代は子供がいても全然おかしくないし、そういうところで楽しめる人もいるのかもしれない。

 

そして子供たちにはシアタールームに入るときに、何か光るステッキみたいなのが渡されていた。

 

プリキュアがピンチになったとき、観客の子供たちがそれを振ってプリキュアを応援すするというシステムらしい。

 

もちろん俺らは貰えなかったが、何となく思い出のためにくれてもいいのに、とか思っていた。

 

それはおいといて。

 

子供たちが、プリキュアと一緒に敵と戦えるという、いわば「体感型」の映画。

 

これは大人になるにつれて、映画は大人しく観るものという概念が出来上がった俺には、とてもいい刺激になった。

 

今では応援上映なんてのがあるが、あれも体感型だ。

 

ある意味、層や時代によっては、そのほうがウケるのである。

 

とりあえず声豚である俺は、梶くんの声がイケボ過ぎてどうにかなりそうだった。

 

 

 

子供たちも、これから大人になるにつれていろんな知識や概念が増えていく。

 

それは楽しいことでもあり、子供の頃に持っていたものをその都度、失っていくということでもあるのだろう。

 

子供の頃は誰しもが、ヒーローに憧れる。

 

でも大人になるにつれて、ヒーローになんてなれないことを知っていく。

 

だけど、そこは自分次第でしかないわけだ。

 

戦い方は違うが、この世にヒーローは実際にいる。

 

自分が誰かのヒーローになれるのなら、それほど嬉しいことはない。

 

そういうことを考えさせられた素敵な映画だった。

 

まあ、もう行かないけど。